WWWCは会員となるためには、とても個人では払えない高額な費用を払わないといけません
というわけで、会員は主に企業、これに一部大学が混じって出来上がっているのですが、このおかげで私たちがここに意見を届ける方法は基本的にありません
じゃあ、もっと私たちの声を届けやすい。公共性の高い機関で決定はされないのでしょうか?
…語られることは少ないのですが、過去にこういう試みをされたことはありました
しかしこれはあっさり失敗、企業は付いてこない。こりゃイカンということで1995年にWWWCが発足して、ブラウザ開発者自身である企業達が参加するカタチで標準団体としての現在の地位があったりします
つまりWWWCというのは、企業倫理と、技術者のワガママと、学者の理想論の微妙なバランスの上に成り立っているんですよね
XHTML1.1勧告…というよりはHTML4.0になるまでのHTMLや、現在のcss等を見るとそれが良く現れています
これがWWWCの抱えているイタイ所でもあり、私がこの団体を支持する一番の理由でもあります
例えばcssの仕様書の邦訳から、引用しますが。text-decoration:blink;
の説明を一部覗いてみましょう
この仕様は、元々Netscapeの独自仕様タグであった<BLINK>
タグを継承するカタチで、採用されたプロパティですが、「ウチは実装せんぞ!」とMicrosoftがゴネたのは目に見えているのですが、こうして無理にやらなくても問題ありませんと書き加えることで、実装されない物に無理はしないようにしています
策定中のcss3でIEのwidth,heightプロパティのバグに対応するカタチで、box-sizing
というプロパティが入る予定…、ってあー、別にこれはIE叩きで言っている訳ではありませんよ、IE独占状況の下で、他のブラウザはWWWC準拠を強く歌っているので、必然的にそうなっているだけで…
他にもHTML3.2が現状をほぼ追認するカタチで策定されたことなんかもそれに入りますが、WWWCは標準が採用されるためのグレーゾーンを許している、現実主義的な姿勢が私がWWWC好きな理由だったりします
投稿者 baban
2004/10/29 at 21:26
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現在取得スペル200にようやく到達…、180に届いてからが勝負だな、これは…
エンシェントデューパーなんかどう取れっていうねん! そろそろ魂の方が燃え尽き欠けていますよ、ぐわー
投稿者 baban
2004/10/29 at 20:08
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本日は技術史のお話かな、自分が好きな本ですいませんがUNIXという考え方の1章から話を引き抜いて、XMLとcssの将来をお話ししてみましょう
さて、突然ですが一つ引用
人間には、3つのシステムしか作れない。いくら一生懸命にやっても、何時間、何ヶ月、何年注ぎ込もうとも結局は3つ止まりだ
これだけを言われても何のことか分かりませんが、ここから順を追ってお話ししていきます。WWWCを長く観察してきた人ならきっと頷いて頂けるはずです
さて、ご存じの方はXMLを誰が考えたのか思い出してください。
第1のシステムは、一人か、またはせいぜい数人からなる小さなグループで創られる
実際はどうだったか? これについて、ネット上の資料を探したのですが、引っかかりませんでした…、スイマセン。しかし、実はXMLの最初のアイデアを持ってきたのは一人の人間、これをまとめたのはわずが五人のグループだったりするんですよ、ビックリでしょう?
こうして起こったXMLは驚くほど時代の要請にあった物でした、やがて一部の技術者がこれに目を付けます。XMLは便利らしいという漠然とした期待が業界全体に広まります
次のステップはここから始まるのですが
第1のシステムはたいてい7人にも満たない人の頭からひねり出されるが、第2のシステム設計には、30人以上の人が参加することがある
(中略)大勢のメンバーから設計上の「貢献」を集めてみると像のように巨大でゆっくり動くプログラムができあがってしまう。たしか最初はガゼルのように軽くすばしっこい物が欲しかったはずだが
こうして参加してくださった「自称専門家」さん達を含めて、議論を…、いつまでやってんのか分からない長い長い議論を続けた委員会は、第1のシステムより長い時間をかけて滅多に役になんか立たない機能をたくさん追加したものを公開します
機能が膨大なら、仕様書も肥大化、メンバーもさらに膨れあがり、議論も長期化、さらに多くの場合下位互換性もついてきて。システムは多くの荷物を背負って歩く亀さんに成り下がってしまいます
WWWCも例に漏れず、まったく同じ道を進んでいるんですよね、ここ数年、WWWCの勧告は、段々と勧告を遅らせるようになっています
css1の公開は1996年ですが、css2の勧告は1998年、css3に関しては2001年に勧告案を出して以降(ここらへんまではマシだったと思っています)、未だに勧告に至っていません
XLinkの勧告までは4年半、XMLSchemaは1998年に標準化を開始し始めたはいいけど難航(2001年に勧告にねじ込みましたけど)、他にもXML1.1等、この関連の話題に関しては言うに事欠きません
ここに関する説明を読むならば、今、過去を振り返るなら、ほとんどすべてが皮肉にしかならないという非常にイタイ状況です、何行か抜き取るならこんな感じですかね
- 世間は第二のシステムを鳴り物入りで歓迎する
- システムへの関心は、増大する一方だ。メディアの注目を一身に集め、専門の雑誌がいくつも発刊される
- 第二のシステムはぜい肉がつき、遅い
嗚呼、こんな時期があった…、イタタ…、と自分は感じずにはいられません
さて、この重くなったシステムをどうするのか? この先の部分に関しても、言及されています、それが第三のシステムです
数ヶ月後あるいは数年後、第二のシステムが言われるほどに優れたシステムでは無いことに気づき始める人が出てくる
(中略)究極のシステムのはずだったのに、結局は多くのシステムの中の一つでしかないことが明らかになり始める(中略)「第二のシステムは完璧じゃない」というつぶやきは、やがてユーザーの抗議の声となっていく。もっと良い方法があるはずだと誰もが思い始める、第三のシステムの誕生の機は熟した
比較的早く勧告されたXML関連仕様が今この時期に来ているといえます。ただ注目を浴びるだけだった技術も資料が充実して、多くの人が自分もそのシステムを使い始めますが「やりたいことが、上手くやれない」そんな場合に気づき始めます
第一のシステムは性能こそ非常に高いものの、必要な機能がいくつか欠けていた。第二のシステムでは、振り子が反対方向にふれ、機能は多くなったが性能が犠牲になった。第三のシステムでは、両者の間に最適なバランスが模索される。
さて、XML界隈ではこの第三のシステムは何が当てはまるのでしょうか? 自分には幾つか心当たりがあります
XML1.0の場合、長い議論の末にXML1.1が勧告されました。しかし、多くの無駄を含んだだけの仕様は評判は悪く、必要無い限りは1.0の使用を進められています。そう! XML1.0は第一のシステムであると同時に、第三のシステムでもあったのです、なんという完成度か…
XMLSchemaの場合はその膨大な仕様に日本を中心にRELAXを作成、無駄な機能を後回しにし、シンプルさをウリにしています。なまじ登場が早かった分、どんな欠点があるのか分かりませんが、自分の中では有力候補です
でもね、よく使われている割に…、仕様に文句を言う人を見かける割に…、第三のシステムが見あたらない物があるんですよね
それが何か? CSSの事です…
とまぁ、ここまで長いお話をしましたが、実はこれはすべて話の前座、話はここから切り替わります
むしろCSSを上げるべきなんじゃないかと思うが。 CSSの極限の進化形がFlashになるのか、さて。
これを何で面白いと思ったのか、をお話ししようと思うのですが、このためにもう一つ説明しておかなければならないことがあるんですよね
もしかしたらそれは、蛇足になってしまうかもしれないと不安ですが、もう少しおつきあいを…
投稿者 baban
2004/10/28 at 11:52
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つーかね、4巻が全然手に入らないんですよ、発売日チェックして…、ダメで…、古本屋回って…、ダメで…。そもそも本当に発売しているのかどうかさえ疑ってしまったですが、ようやく手に入ります
でもさ…、読んだ人みんなに賛同して欲しいけど…、 エクステンドはもうジンキじゃないよね。まがい物まがい物…
投稿者 baban
2004/10/27 at 23:45
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投稿者 baban
2004/10/27 at 23:08
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今回はちょっと経済のお話かな
話の書き出しとしては突然ですが、産業というものは、次の図の様に例外なく4つの段階を踏んで進歩していきます
名前を付けると「黎明期」「発展期」「成熟期」「衰退期」
黎明期は産業の始まりどき、一部の好き者がそれに飛びつくだけで、ノウハウも無い幼児期です
発展期は産業が注目されて、大きく飛躍する時期、このとき雨後の竹の子のごとく会社の数が増える時期にあります
成熟期は掘れる可能性のある市場を掘り尽くし始めた時期、息詰まった市場は売れ線以外の商品にも力を入れ始めて多様化、細分化が起こります
そうして行き着く所まで行った企業は、競合する他の業界にシェアを奪われたりしながらしだいに力のある数社のみの寡占状態になります
試しにひとつ分かりやすい例を挙げて、エロゲ業界を例に取ってみると次の図のようになります
とまぁ、こんな感じ、エロゲ業界は完全に成熟期に入ったって事になりますね
このまま順当に行くと、滅びるべきソフトハウスが何割か消えて、残ったブランドは次第にどっかの傘下としてに組み入れられる、で、なんかもっと面白そうな競合メディアが出てきて注目されなくなっていく、という流れになりますね。余談ですが
で、今度はブラウザ業界をこのグラフに当てはめてみましょう。細かいところを気にしないなら、自分には大体こんな感じに見えます
つまりはこの考え方を信じるなら、ブラウザは成熟期の中盤を過ぎているって事になるんですねぇ
証拠といえる物も幾つかあります
一つ目に、ブラウザは寡占化されていること、開発能力でついていけなくなったメーカーは淘汰されて市場から消えています
二つ目が標準化、WWWCにHTMLが、ECMAにJavaScriptが標準化されて、ブラウザ依存のタグが消えて無くなりました。そして決められた標準を守りながら、細かい所でどう差を付けるか、逆を言えばアイデア一発で決定的な差を見せることが難しい状態になっています
技術に関しても、Mosaicブラウザを起点とするなら、関連技術の開発というと、大体10年くらいで限界に来て、特許数も経る傾向にありますから。ブラウザ自体緩やかに行き着くところへランディングダウンしている途中なんですよ
とまぁ、こんなお話をしましたが少し意地悪なことに今までの内容は大きな間違いを一つ含んでいます
考えてみれば、ブラウザというプログラムの重要性は年々増してきていますね。理由はね、…ちゃーんとあるんですよ
ActiveX、プラグイン、XML…。キーワードはここのあたりにあるのですが、1993年後半にMosaicが登場して、ホームページっていう文化が幕を開きましたが、この市場にライバルは結構簡単にやってきました。
1995年…、ズバリ、JavaとFlashの事です。しかしまぁビックリした事に、ブラウザは拡張機能としてあっさりとこれらを取り込んでしまっているんですよね、1998年に、XMLが登場しましたがこれも次第にブラウザへ取り込まれています
まぁ、例を挙げるのはここまでです。回答を言いましょう。成熟期にあるのはブラウザじゃないんですよ。じゃあそれは何か? 実はHTMLなんです。画像以外は何もかもHTMLだった時代が終わりを告げてFlashが、Javaが、RSSが取るべき分野を奪って、HTMLで何でも無理していた時代が終わって、HTML自体は成熟期の終わりくらいへ入り始めているのでは、と自分では思っています
投稿者 baban
2004/10/27 at 18:38
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投稿者 baban
2004/10/27 at 13:17
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デモに関しては、良い物というのがはっきり言えなくて何を紹介するかって言うのは気分半分で決まるのですが、悪くない感じなのでちょっとピックアップ
前々作のプレゼンスは記憶にあるんですけどね
投稿者 baban
2004/10/25 at 00:17
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多少マニアックに技術よりですが、質問の内容、その回答ともに非常に良い!
投稿者 baban
2004/10/24 at 23:49
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賛否両論。いろんな人がいろんな意見を言うようだけどね…、実はね、自分としてはね「いいんじゃない?結構?」と思っちゃっているんですよねぇ
記事で触れられている、HTMLとJava。
これがね、そもそもHTMLは文書を書くためのXMLフォーマットで問題外なんですよね~。
Javaはね、開発当初から家電をターゲットにしているけど、どちらかというと制御を見ているんですよね
で、正直、組み込み系の場合、マシンパワー足りないし、用途も限られているので、「必要な物を必要なだけ積んでいる」のは技術的にGoodなんですよね
余談ですが、PCで見て、Webサイトに使うFlashを聞かれた場合、私の立場は微妙だったりします
昔はFlash使われるだけで、ムカついたんですけどね、バージョン上げるごとに、障害者支援まで含めたユーザビリティや、ファイルの分割可能とかバージョン上がることに必要な機能をそれなりに追加していっていますし、努力を止める様子は無い、短く言うと、Micromediaは十分に謙虚である事をここ数年実感しているんですよね
それでも、根本的にバイナリデータであるって問題を解決している訳ではない、FlashにもFlashなりの利点がある…、というよりHTML+cssには十分すぎる欠点がある事を考えると現在は必要だと思います、つまりは2つ併せて考えると微妙
まぁ、個人的なこだわりで私は使わないけど…
むしろCSSを上げるべきなんじゃないかと思うが。 CSSの極限の進化形がFlashになるのか、さて。
「あ、この一文面白い」と思って、今回話に出したのですが、まぁ、自分なりに思うところがありまして、これに関して話を始めると前置きが長くなってしまうんですよね
次の機会がありましたら…
投稿者 baban
2004/10/24 at 20:45
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