あなたが選ぶ静止画M@D大賞2019:反省会
まずは、あなたが選ぶ静止画M@D大賞2019。
投票頂いた方、拡散をしてくださった方、助言を頂いた方々、ありがとうございました。
期間中、生放送のやりかたを教えて頂いたり、投票要綱を中国語に翻訳していただいたり、多くの人の支えのおかげで終了までやり切れました。
この企画は参加してくれる人がいて初めて成り立つ企画である事を改めて実感しました。
大会終了後のアンケートも締め切って、これにて静止画M@D大賞2019は完全に終了です。
ですので、自分のための、今後同じような大会を開く方々のための記録として今回の大会で
- どの様に考えて開催を決定し、どの様に仮定を立てたか
- 開催の告知の後、何を指標として追いかけていったか
- 集計を終えて、どの様に感じ、何を反省点としたか
これらをまとめて記事とさせて頂きました。
まぁ、ANIMAAAD祭でエッティルさんが毎回上げているものと同じ様なものです。
ほとんどの人にはお茶請け程度の内容ですので、気軽にお読みください。
開催前の仮定:静止画M@Dは300人程度のムラ社会
まず皆さんに知ってほしいのは、静止画MAD界隈というのは、お互いが割と顔を知っているムラ社会であるという事です。
実際には、定義にもよりますが、このムラはおそらく300~500人の間にこの人数あると思われます。
これは自分が経験的に感じて切る事でしたが、実際に表す一例として、ニコニコ動画の静止画MADタグで、現時点での最新投稿10作品の再生数を抜き取ってみました。
そうすると、一番上はこの作品でしたが、そこからの再生数は順番に69再生、374再生、593再生、124、266、1555、586、198、76、2047再生となっています。
実際に見てみると分かるのですが、この中で300再生を下回っているのは、いわゆるエフェクトの一切使われていない素編やスマホ編集でした。
長く観察してますがここ2,3年に関しては再生数はおおむねこの状態です。
つまり、ある程度編集やエフェクトを活用した、静止画MADの水準に則った作品であればとりあえず見る、という人はだいたい300人弱になっています。
またTwitterなどで作者同士が相互にリツィートで作品を拡散して回っている現状も知っていますから、 静止画MADを見ているかなりの割合、作者が100人を切ることはないので概ね1/3の視聴者が作者同士であったりします。
※ これは今回の静止画M@D大賞を開いた時のGoogleAnalyticsの数値からも近い数字が出ています。
なので、仮に大賞を開催するとなれば、このうち何人に一人を巻き込めるかで成功が決まる事になります。
実際に過去の大賞の投票も実際にサイトを運営している人、または作者の割合が過半数を超えていて非常に身内のイベントの空気感がありました。
ただ、軍魔さんの様に昔から熱心に作品を追いかけていても一度も投票に参加した事の無い人もいますので、全員に投票してもらうのは現実的に無理ですし、また久しぶりの開催で不確定な要素が多いのでもう少し他の数字を考える必要がありました。
なので、最近あった投票イベントとしてAniCupとAniPafeの状況を確認しました。
まずはAniCupですが、これはさけさんのまとめが記事として挙がっています
こちらは100名の投票、有効票は465票。
そしてAniPafeは140票程度(生放送で聞いたはず)
どちらも歴史あるイベントで、動画、静止画混在なので熱心な静止画の人よりもみていて投票する人も多いイベントになるでしょう。
そして最後の数値ですが、過去の静止画M@D大賞の数値です。
2001年から2011年までの10年の記録がありますが、今回は最初の3年のみの投票人数を出させて貰いますが、 2001年:88人、2002年:104人、2003年:156人と開催するたびに増えていますが概ね100人ちょっとでその後も安定している状態でした。
これらの数値を総合すると、これまでの落ちた静止画MAD大賞のブランドを考慮しても、開催するならば100票いかないくらいはいけるのではないかと推測をしました。
とはいえ100票は期待しすぎ、自分の中でもう少し数値を具体化するために
- 静止画MAD大賞2001の88票を超えるのが成功ライン
- 100票を超えるのが大成功ライン
こう考えてサイトの公開を始めました。
まぁ、実際にはすでにご存じの通り65人の投票でまとまったわけですが、 この88人と65人の間の数値は、ひとえに主催する私に対するこれまで積み上げてきた信用の差だと考えています。
投票する人もほとんど票が集まらない小さなイベントになる可能性が見えるのに、 自分の1票が無駄に終わる様な手間はかけたくありません。
ここで投票するかどうかはこれまで運営してきたサイトなどで伝わっている、今回のイベントに対する情熱と運用能力です。
長らく低空飛行を続けていたサイト、久しぶりの開催で主催だけで他のメンバーなし(事前にだれか巻き込んでおけばよかった)大丈夫かと思う気持ちが心の片隅に出てくるのは当然の事です。
そしてサイトの公開期間
準備としてはここまでで、サイトを準備して二人ほど他の方に意見を頂いてからは やる事は決まっていました。
静止画MAD村には300人~500人くらいしか投票可能な人がいないというのであれば 、あとはそのうち何人に一人を巻き込めるかというのが答えなのですから、 情報を公開してからはリツィートしてくれた人をターゲットに、ひたすらに挨拶と、投票のお願いを重ねていく作戦で行きました。
気分は正直ドブ板選挙です。
ただ、覚悟はして始めたとはいえ、これ体力や手間以上に心労が凄い企画でしたね。 勝手に復活させることにしたとはいえ、一定の歴史あるイベントです。
「名前を借りてきた以上は責任をもって成功にもって行きたい」という思いがあるので 毎日、GoogleAnalyticsでサイトに何人来てくれたかを見ながら 「ああ、今日は来てくれた人が〇人に下がった…、このまま行ってしまうのか…。ごめんなさい美凪ちよさん。八八園長…」 と、投票がされなかった時の事を思いながら不安に打ち震えていました。
そして投票開始!
結局、投票開始までにリツィートされた数は、最初の告知のもので32リツィートでしたので 「なんだかんだで、この数よりは投票されるだろうけど、これ以上はどこまで伸びるかわからん…」
そういう状態から、実際の投票期間は始まりました。
そういう不安の中で実際に始まった投票ですが、致命的な不安は初日にほぼ解決しました。
初日の夜明けまでの投票こそ8人でしたが、Nukaliadさんが投票要綱の中国語訳を公開してくださったおかげで、1日目の投票数は18人。
これまでの大賞の投票人数を比べられるだけの数が出てきました。
21時ごろに投票を確認したときに「やった…」と思って感じた泣きそうな程の安堵感は良く覚えています。
あとは、このまま投票数を上げていくだけです。
結果として開始3日目までで27票を集めることに成功して、次の日でついに失速しつくして1票に落ちました。
ただ、投票はこれまでの経緯から、最初の最後の3日間に集中して、その他の日は、ポツポツと低空飛行するのは分かっているので、同じパターンでいけは今後は推測できます
投票開始と終了3日でぞれぞれ27人の投票。他の期間(9日間)がそれぞれ1票ずつであれば合計63人からの投票の計算になります。
実際には先ほども言ったように65人ですから、ほぼ結果は一致した通り、開始4日目で何票集まるかはほぼ分かっていました。
ただ、自分の目標は最初に言った通り88人。出来るならそこまで票を持ち上げていきたい。 なんとかできないかと生放送の提案をして、実施したりして、持ち上げを行っていました。
実際はなんとか関心を維持しようとしていましたが、自分の中の冷静な部分に聞く限りは
- 生放送自体は票を増やす効果は得られなかった
- 投票期間は2週間がMAXで、それ以上の期間は票が止まる日が出る
このあたりは覚えておこうと思っています。
そして投票終了
投票最後の3日間は、予想通り投票がされるたのですが、ホントの最終日で24人の投票で、焦らせてくれました。みんなギリギリすぎるわー、このまま来ないで終わる可能性を想像しながら心臓きりきりしていました。
終わってみての集計は面白かったですね。
今回は集計スクリプトで毎日変化を追いかけていましたが、上位3作品のデットヒートが凄かった。 最初は「Reckless Bread」と「群青ノスタルジア」が飛びぬけていて「逃げ出した色たち」は少し離れていたのですが、最終日に向かってだんだんと票が近づいて行って、 最終日当日は集計するたびにこの3つの順位が並んだり入れ替わったりの連続、ある段階では3作品同時1位もありえる状態で、主催しているこっちもどれが1位になるのか全然読めない状態でした。
あと、集計に関して最大の後悔は、中国の作品でniconicoであえて日本語訳で再公開したものですね。 本来、全部のテキストに訳を付けてAEで出力しなおすこと。 想像してもらえれば簡単ですが、相当な手間で、日本に向けた破格の特別待遇です。 とはいえ、明らかに再編集した作品なのだから分けるというのも理屈に合っている。 投票開始2日目にはこの状態に気づいていたので、悩んだ結果、別作品として扱う事にしました。これは、Tweetに残っています。
「活着即鳴咽。」と「生きることは嗚咽。」は言語別なだけで、同作品なんだよなぁ…。
— baban (@baban) February 8, 2020
うーむしかし、これは分けて扱う事にするか...。
ただ、投票が進んで最終日4,5日前になると「活着即鳴咽。」が、20位以内に入るか入らないかという状態になっているのが分かってくると、最初の判断はやっぱり間違っていたと考えを改める事になりました。 とはいえ、最初に方針を決めたものを、改めるのは不公平。 そのまま集計は行って、別作品として扱った結果、日本に向けて行った配慮が、正直者が馬鹿を見るような結果になってしまい、今回一番の後悔となりました。
実際、今回結果発表後に大会についてのアンケートを取りましたが、中国語版と邦訳版は集計時に同じ作品として扱ってほしいという意見を複数の方からいただいてしまいました。
その他のご意見も、分かり味しかないので他の人からも同じことを言われてしまっては、そうですねーとしか言えないものでしたね。
とまぁ、オチのない話にお付き合い頂き、ありがとうございます。
これが今後の方の未来への資産になるのなら嬉しいなと思います。
投稿者 baban 2020/03/08 at 02:15