アイマス界隈と静止画界隈から考えるコンテンツ消費論
前回わかむらPに対して言及したのでちょっと続き物で話をさせていただきましょう
ここ数年アイマスのM@Dを見ながら思ったことを話させてもらいます
正直な話、ニコニコ動画が登場して「とかちつくちて」がヒットした頃には
アレよりも静止画のほうが面白いよなぁ、というのが自分の正直な話でした
それがだんだんと進歩を繰り返して、コレも面白い!と思えてきたのがここ3年くらいなのですが
その進歩の過程が静止画界隈と非常に近い、特に作品の進歩と消費のされ方が
そこの点について語らせていただきましょう
まず、作品の発生時期は、オリジナルのもっている良さをそのまま活かそうという作品が発生します。
アイマスならダンスのノリの良さ、静止画系ならKeyの感動をそのまま活かせる方向で作品が主流になります。
初期の代表作品なら、るかか氏の「もう一度Kissしたかった」や乃怒亞女嬢の「love&live」等の、ONE系の作品群が一例だと思われます
ジャンルとしておおよそ2年程度、その時期が続きますが、その間に人目を引いていき、だんだんと人が集まってきてコミュニティを形成すると、作品の高度化と人の流入を繰り返すジャンルの成長期に入ります。
静止画なら99年~2001年頃までの神月、乃怒亞女時代、ニコマスなら「とかちつくちて」~わかむらPが「Perfect Star Perfect Style」を発表した頃になります
しかし、こうなると原作の良さを生かした作品が何百と溢れ返るようになって、同じツールで同じ素材の組み合わせの限界から、作風を見切られて、視聴者の心理に「もうちょっと違うものが観たい」という心が醸成されていきます
この頃に、TOPの作家の一部から原作のイメージを反転させた作品が登場します
自分はこれを「反転系」と名付けていますが、静止画界隈なら2001年頃前半、Mirror氏の「Scene[2]SENTENCE」などが代表的な作品で、泣きゲーの美しさをの底にあるヒロインの暗い感情を暴きだした作風です。アイマスなら、春香の正当化アイドルをひっくり返した黒春香系や、真のボーイッシュなイメージの裏にある乙女心を強調した作品群がこれに当たると思います
そして反転系の作品も次第に定着していって、そこに続いて新しい解釈や作風も受け入れられていくと、最終的にはどの作風も飽きられてきて、真の差別化要因はその人が持っている心象、魂の発露、センスであると思われていきます
そうなるとオリジナルとは関係ない所で、原作はあくまで素材、それを元に自分の内側にある世界をそのまま表した作品群が主流を占め始めて、ジャンルとしての爛熟期を迎えます。
静止画系の場合は2004年頃、アイマスの場合は2009年代にその入口に入っている様に私には見えました。
その後もCLANNADやリトバス等のKey作品の供給が続いても、一度爛熟したジャンルは、期待の新人を中心に万人受けする作品が出ても、センス勝負の世界が上位作家中心に行われているので、おそらくアイマス2が発売された場合でも、現在よりもさらにアイマスと関係ないアイマスM@Dは発表され続けながらゆっくりと主流を奪っていくのではないかと思われます。
まぁ、この共通点は静止画界隈であったら、東鳩、コミパ、ONE、KANON、Air
ニコマスならアイマスという素材
狭い作品群で2次創作を繰り返していくとこういう流れになる、という事なのだろうと思います
そういう意味で注目したいのはMMD界隈。初音ミク(特にLat式ミク)を中心に、動きと脚本力で進歩を続けていますが、いずれ動きの滑らかさをローコストで実現できるようになってくると、ダーク系と言えるような作品がおおっぴらに評価されて、最終的に同じようなセンス勝負の世界になりそうな気がします。まだまだ、動きの綺麗さで勝負をしている世界ですが、何処に差別化要因をかはジャンルの趨勢に関わる所なので注目していくべきだと思います
そういえば作品群探しているうちに見つけて思い出したのですが
神月社×片霧烈火×初音ミク(原曲はsupercell)と、これでもかと人参をぶら下げられていた割に、界隈で誰か話題にしたところを見たところないなぁ、関係ない話ですけどね
投稿者 baban 2010/11/07 at 12:13