非正規雇用の憂鬱3

80年代を通じて日本に雇用慣行として定着した終身雇用制度ですが、90年代に入りバブル経済が崩壊するとともにその弊害が吹き出ることになります。


その原因は2つあり、一つ目が管理職の増えすぎ、二つ目が人件費の高止まりです。この二つは独立して存在するものでは無くてそれぞれが深く関連しあっているので合わせて解説していきましょう。

このそもそもの原因は、少子化による人口構成の変化があり、日本が経済成長を続けながら新入社員が次々と入社していた時代にはある年代になると年功序列的に上の役職に上がってゆくという制度は有効に働いていたのですが

戦後のベビーブームで生まれた世代が成人して、社会人になり、30代になって上の役職へ昇進する必要がある80年代頃から、下に付ける部下の存在しないという問題が顕在化します。

そのため、それに合わせて技術職の場合管理職に上げないで現場でキャリアアップできる制度などを設けて対処をしていたのですが、90年代に入ってバブルの崩壊とともに限界が訪れます。


元々年功序列的に給与が上がってゆく制度になっているため、上の世代の人間ほど給与が高い状態にある。

少子化の影響で下に付ける部下のいない。

しかし終身雇用制度を前提とした状況では簡単に解雇することも出来ない。


この相反する要求の中で企業もあえぎ苦しんで、しかし解決策の無いまま90年代も後半になると「リストラ」という形で、ある意味最悪の形で顕在化することになるのです。

投稿者 baban 2009/01/08 at 20:58

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