3D基本講座
基礎的なところをちょびちょびと。
どのツールにも共通する話題をとりあげます。
もうちょい後でもう少しわかりやすく詳しく書きます。
モデリング
- ポリゴンモデリング
現在はメジャーなモデリング方法と言えます。
LW3Dは早くからこのモデリング方法を利用していたためポリゴンモデリングといえばLW3Dとまで言われました。
メインのモデリング方法として採用してるツール(後付ですけど)も多く、基礎を身に付ければさまざまなソフトで応用がききます。
初めて3Dにさわる方にはこちらをお勧めします。
- 曲線モデリング
NURBSや、Shadeの自由曲面をでモデリングする方法です。
メインのモデリング方法として採用してるツールは、非常に多くLW3D以外のソフトは元々曲面モデリングを採用していました。
利点としては曲面の多い人工物の制作に向いている点です。
そのため3D CADソフトには必須のモデリング機能となります。
Shadeは美少女モデリングに持てはやされた例が有りますが、人物制作にはあまり向いてません。(延々としわ取り・・・)
曲線モデリングオンリーのソフトは、身に付けても他のソフトへの応用がききにくい、等の理由から、あまりお勧めはしません。
補足:曲線モデリングとポリゴンモデリングの両方有るソフトも多いですが、どちらか片方に主軸を置くため有っても癖が強い場合が有ります。(それが合う人も居ますけど。)
- 参考リンク
メタセコイア
とりあえず、モデリング入門にはメタセコイアがお勧めです。
直感的なインターフェイスと、高い機能を併せ持つソフトウェアです。
フリー版とシェア版がありますが、まずはフリー版で十分だと思われます。
実際にモデリングという作業にふれてみて、感触を確かめた上で、
ほかのソフトへ進んでいくという手順が良いかなと思います。
マテリアル(材質)設定
- スペキュラ
光沢を表現するのに使いますが、スペキュラの調整値で調整する光沢は、物理的にはフェイクです。
- 自己発光
値を与えた場合、GIだと光源として作用します。
その他の場合だと単に明るさを押し上げる調整値として使用します。
- 屈折率
物体が透明、半透明の場合、透過する光の屈折する度合いとして使用します。
コースティクスをサポートするレンダラの場合、集光効果にも作用します。
- 頂点(バーティクス)ペイント
多くのソフトウェアではモデルの頂点に色をつけることが可能です。
ペイントを行う利点としては、あらかじめ影になりそうな場所を暗く塗っておくことにより、
単純なライティングでもリアルな画像を作れる・・・などがあります。
テクスチャ
モデリングも重要ですが、仕上がりを大幅に左右するもの、それがテクスチャです。
ベストなのは自分で描けることですが、誰もが絵をかけるわけでもありませんし、
よく使われるような材質はWEB上で探せばいくらでも出てきます。
マッピングの色々
- ディスプレイスメント
バンプと違い、フェイク的な凹凸ではなく、モデルを実際に変形します。
テクスチャのディティールをよりよく反映するためには、
変形対象のポリゴンが十分に分割されている必要があります。
ライティング
- ライティングの基本
絵を作るときに一番重要だと思われるのがこのライティングです。
ライトは太陽・ランプがある位置に平行光源・点光源を置けばいい、
・・・なんていう単純なものではありません。
これは後述するレンダリング方法に絡んでくる話なのですが、
もっとも頻繁に使うレンダリング方法は多くの場合、影の表現が不適当です。
そのため、1灯だけのライティングは通常ありえません。
少なくとも2灯、光源から発する光(太陽やランプ)と、補助光源が必要です。
- なぜ補助光源が必要なのか?
光の影になっている部分を観察してみると、現実世界では完全に真っ暗・・・なんてことはありえませんよね。
さまざまな光の反射によって、間接的に少量の光が届いているのを観測できます。
CGの世界では光の影は真っ暗になってしまうので、間接的に届く光をシミュレートするのが補助光源です(※1)。
通常は光が届かない部分に光を当てれる位置(もしくは方向)に配置します。
補助光源は影を落とさないように設定するのが普通です。
※1:後述するグローバルイルミネーションと呼ばれるレンダリング法を利用すれば補助光源は基本的にいらないのですが、
レンダリング時間が長すぎて使い辛いというデメリットが存在します。
実際の写真屋さんでモデリングライトを使うように、GI有っても補助ライトはそれなりに必要ですよ。
アニメーション
- キーフレーム
基本的にAEのキーフレームと同じです
- 剛体シミュレーション
理科で習った、作用・反作用をシミュレートするものだとお考えください。
積み上げた積み木にボールを投げて、積み木が崩れる・・・などのアニメーションが手軽に作れます。
このごろは多くのソフトウェアに標準で搭載されるようになってきました。
- 流体シミュレーション
水、空気の流れ、雲の流れ等をシミュレートします。
この機能を標準でサポートしているソフトウェアはまだまだ少ないです。
- IK(インバースキネマティクス)
手を引っ張ると、ひじ間接もいっしょに動く。
という感じの機能。
レンダリング
- スキャンライン
動作は速いのですが、マテリアル設定やライティングを突き詰めていかないと品質はイマイチです。
また光の反射、屈折を表現できません。
しかしこれが一番使えると思います。
- レイトレース
光の反射・屈折を表現できます。
しかしコースティック(光の収束)は表現できません。
これはなぜかというと、光源からの光の追跡ではなく(これをやると演算量が無限になる)
視点(出力される画像のピクセル単位)からの光の追跡だからです。
- ラジオシティ
GI(グローバルイルミネーション)の一種です。
元々は熱の放射エネルギーの計算に用いられたアルゴリズムですが、
光に関しても応用ができるため非常によく使われています。
光の相互反射を表現できます。
物体のアニメーションにはあまり向かないとされています。
ただしウォークスルーアニメーション(ドア開閉や物体の移動が無いアニメーション)
においては、再演算の必要が無い(※1)ため絶大な効果があります。
※1:光の反射、屈折が無い場合のみ。反射・屈折がある場合はそれに関して再計算が必要。
- フォトンマッピング
GIの一種です。
コースティック(光の収束)、相互反射、ソフトシャドウ・・・
手軽にリアリスティックな表現をする場合はこれがベストかと思います。
しかし基本的にサンプリングはモンテカルロ法のため、サンプル数が足りないとノイズが乗ります。
だからといってサンプル数を上げると画像はきれいなのですが、レンダリング時間が激しく増加します。
また、出力結果ムラを避けにくいので、アニメーションに使うには設定の追い込みが必要です。
あまり使用しないでしょう。
- GIの応用
GIレンダリングの結果をUVテクスチャに焼き付けるような機能を持つソフトの場合、
それを利用すると次回以降はライティングが必要無いため、
表現力の向上とレンダリング時間の短縮を同時に図れます。
ただし大幅にライティングが変わってしまうような場合は焼き付けなおしが必要になるでしょう。
また頻繁に影の位置が変わるようなアニメーションでは使えません。
あくまで静止物で利用して、その物体をトレース(ライティング)対象からはずすような使い方になると思われます。
- マルチパスレンダリング
メジャーなソフトは、レンダリング時にディフューズ、スペキュラ、透過、ミラー、シャドウ等、
要素ごとにレンダリングする機能を持っています。
After Effects上で質感などのマッチングを行う場合、要素ごとにレンダリングしておいて、
AE上で調整するほうが、効率が高いです。
LW:バッファ出力
Cinema4D:マルチパスレンダリング
3DS Max:G-Buffer
Carrara:G-Buffer
RLA、もしくはRPF形式で出力可能なはずです。
- Maya、3ds max、Softimage XSIでの注意点
標準レンダラの他にmental rayが付いてますが、基本では2CPUまでのライセンスしか付いてないので、複数PCや2CPU(ソケット数ではなくOSから見えるCPU数)でレンダリングしようと考えてる場合はご注意下さい。