MADのための3D

ちょいちょいと使ってて思ったことなど。

モデリングより質感

3Dモデルはそこそこでいいので質感の設定、
シェーダー設定やテクスチャに比重を置いたほうが良いかもしれません。
よっぽどオブジェクトが多いとかでない限り、もしくは隅々まで細かく見られるような長い尺でなければ、
質感の設定に力を注げば100万ポリゴンを超えるようなシーンにはそうそう出くわさないはずです。
ポリゴン数を少なく抑えれればプレビューや微調整もスムーズに行えます。

レンダリング結果に大きな期待をしない

ムービーの作りにもよるけれど、3Dソフトで出力した画像は(シェーダーの設定によりますが)たいてい画面と馴染みません。
レンダリング直後の画像を見て、「なにか違和感があるな」と思っても、ある程度は割り切ったほうが素早く作業できます。
「なぜ割り切ってよいのか?」という疑問を抱く方もいるかもしれませんが、これは後述します。

3Dソフトでの作業自体よりもコンポジットソフト上での作業に重点をおく

先に書いたように3Dの画像は画面と馴染みにくいです。
なのでその分コンポジットソフト上で調整します。
特にAEは「AfterEffects」というだけあって、画像のポストプロセス(後処理)においては絶大な力を発揮します。
試行錯誤で行う微妙な光や色の調整は、3Dソフト上では最小限にして、はじめからこっちに持ってきたほうが早いです。
また作業の大部分をコンポジットソフトでやると割り切れば、作業効率が良くなる場面がそこそこあります。

たとえば

  • NPR(Non Photo Realistic)レンダリング(セルシェード等)
  • ライティングの調整
  • 被写界震度

など、ポストプロセスなものは始めからAE等で行ったほうが細かい修正にも柔軟に対応できます。
しかしそのためにはZバッファを出力できたり、
各要素ごと、または各ライトごとのレンダリング結果がほしい場合があるのでソフト次第かもしれません。

AE上で出来る簡単なNPRの例を挙げるとセルシェードがあります。
手順を示すと以下のようになります。

  • 3Dでレンダリングした動画が入った"コンポ1"を用意
  • "コンポ2"を作成しコンポ1を2回入れる。
  • 上のレイヤーに輪郭検出を適用、合成モードを乗算に。
  • 下のレイヤーにカラーカーブを適用し、カーブを階段状にします。

あとで画像貼るかも。

3Dであっても3D的に見せる必要があるのか考える

たとえば3Dを舞台セットとして使用して2Dとの合成をする場合(3Dの背景中に2Dキャラを立たせる等)、
背景の3Dに対してキャラクターが浮いてしまうことがあります。
そういった場合、大幅なカメラの動きがないのならば3Dを動画としてではなく単なる1枚絵としてレンダリングし、
2Dの絵の代用として使用したほうがいいかもしれません。
3Dを使う目的が「3Dを使うこと」でないのならば、
3D的に見せる必要があるのかどうか考えることも大事だと思います。

別の方法を考える

目的が「3Dを使う」でないならばやり方は一つじゃないと思います。
その3D、必要ですか?

実際に使う場合に

  • アニメ調のイメージにしたい
    合成を前提に作業するなら、3Dソフト上でアニメ調にしてしまうのはお勧めしません。
    個人的には、輪郭線のみ出力、ディフューズ色のみ出力、スペキュラ色のみ出力、テクスチャ色のみ出力、と、複数チャンネルにわけて出力し、AE上で合成します。
    AE上で、色の階層を作る場所や、スペキュラの強さ、等を調整したほうが、試行錯誤がより早く行えるというメリットがあります。
  • フレームを間引く
    合せる物によっては非常にうきますから、30fで作った後に12〜20fぐらいに間引くと違和感が減る場合が有ります。
  • どのソフトがいいか。
    統合のアニメーションまで出来るソフトとしてバランスと値段的にはMAYALightWave、お金がないならBlendertrueSpaceのような無料ソフトもあります。
    学生さんは非常に安価で提供されている各種学生版:AcademicEditionがよいでしょう。※現在多くのソフトで学生は無料提供してるソフトが増えましたのでそちらも検討すると良いでしょう。
    なんにせよ、必要な情報の多さや、使いやすさがよければ、何でもいいと思います。
    ただ、やはり曲線ベースのモデラ−をメインで使用するソフトはあまりおすすめできません。
    まずはメタセコイアをさわってみて、モデリング、UVテクスチャ等の扱いに慣れてから、
    十分に各ソフトを吟味した上で使用するツールを決定したほうが良いと思われます。
    幸い、どのソフトも体験版や、すかしが入るフリーのLEARNING EDITION等がありますので、
    選別には十分時間をかけることが出来るとおもいます。
    安いからといって、衝動的にソフトを決定しないほうが良いと思います。まずは体験版を触ってみることは非常に大事です。
    どのソフトにも得手不得手、扱う側の向き不向き、グレードによる機能の違い、コスト、等
    さまざまな要因が絡んできます。
      また、一つのソフトに拘らずにモデリングはAというソフトでアニメーション、レンダリングをBというソフトを使うと言うのも良い手でしょう。
    各種ソフトを連携させるためには各種ソフトの形式を読み書きする必要性が有るのでそれを重視したソフト選びをするのも良い判断かもしれません。
    ※標準では対応していなくてもプラグインやスクリプトで対応できる場合も多いのでそれらの利用も視野に入れるといいでしょう。

参考

  • 雑誌
    CGWORLD
    昔は沢山あった3DCGの雑誌ですが現在はこれのみ
  • 書籍
    DIGITAL ANIME ARTWORK
    商業作品を素材にした本で、3DCGのアニメへの使い方等は非常に勉強になる一冊。
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Last-modified: 2019-12-22 (日) 02:13:11