1980年代†
80年代の前半の特徴としては8ミリでのインディーズムービー制作が各所で見られたことでしょう。
ビデオカメラの普及率も10年間で8.6%から15.6%と増えました。
MADと関係の強かった同人界隈も急激に拡大していきました。
この頃には編集機器の進歩が大きく各種の試みが始まっています。(ムービー作品の発生自体はもっと前のようなので修正。)
特にPCやゲーム機、専用機材を用いてのスーパーやテロップ、プログラムによる映像製作等も作品中で確認されております。
1980年†
- 1980-??-?? 東京都三鷹市で学生が日本初のレコードレンタル店・黎紅堂(れいこうどう)を開業
- 日本レコード協会や全国レコード商組合連合会からの猛反発を受けたり等社会現象になるが82年に臨時として「商業レコードの公衆への貸与に関する著作者等の権利に関する暫定措置法」にて合法化。同法は84年の著作権法改正で貸与権が創設された事により廃止される。
- 1980-??-?? オープンリールの音楽テープ生産打ち切り
- カセット式の便利さに負けて。
- 1980-11-??〜1981-01-?? 「タモリのオールナイトニッポン」(1976〜83年・JOLF)内で「つぎはぎニュース」コーナーが放送される
- 当時「MADテープ」自体やその呼び名は全国的に広まっていたものの、流通経路が漫研・アニ研等のサークル経由や一部即売会などに限られていたため、一般のオタクにはそれほど知られていなかった。
一般人(と言ってもこの手の趣味を持つ人々)に知られるきっかけになったのはオールナイトニッポンの「つぎはぎニュース」と呼ばれるコーナーだったようです。(詳しい年表判れば補足お願いします。)
1981年†
- 1981-08-01 アメリカにて初の音楽専門のTV放送局「MTV(Music Television)」放送開始
- その後世界中でMTV内の番組の放送や同様のPV専門番組チャンネルが浸透した。
日本では1984年10月より朝日放送(ABC)が米MTVのPV番組を編集した「MTV:Music Television」の放送をした。
このチャンネルの影響もあり「MAD」や「AMV」という名前が浸透してない地域で編集作品を「MTV」と呼ぶ場合がある。
- 1981-08-21 第20回SF大会にて「DAICON FILM」が、自作アニメーションムービー「DAICON3」上映
- 夏の定番オタクイベントの一つ、「SF大会」にて。大阪芸術大学の。ここで育ったスタッフ達が、後の「ガイナックス」の前身となる。ちなみに、作画監督は、後に「エヴァンゲリオン」で名を轟かせる、若き日の庵野監督。当時のヲタク達はこの映像を懐かしく、また鮮明に覚えており、これが後に「電車男」のドラマ化の際にそのOPをオマージュさせる事に繋がる。
- 1981-09-20 タレントのタモリ氏「タモリ3 戦後日本歌謡史」を自主製作での限定版という形でのみリリース
- 内容はパロディ替え歌集
著作権問題が解決しなかったためこういったリリースとなったようだ。
レコード店チェーン「新星堂」でのみの取り扱いとなる。
発売後1ヶ月あまりで3万枚を売り上げるが著作権、販売ルートで問題となりゴタゴタになり廃盤へ。
後にタモリ1と2はCDで復刻されてるものの3は無理の模様。
- 1981-10-09 パイオニアが初の日本向けの民生用LDプレイヤー「LD-1000」を発売。
- 1981-10-14 TVアニメ「うる星やつら」放送開始
- 初期のムービー作品では数多く使われた。
1982年†
この年、ビデオデッキの年間生産台数が、カラーテレビを越えた
- 1982-??-??
- 切り貼りパロディ音楽「月火水木土天海冥2 テレビまんが20年のたくらみ」オーディオカセットで頒布
作者のサイトにある年譜は「1982年」が抜けています。パソコン故障のため更新されていませんが、製作年が1982年だということは作者本人に確認済みです。また、このテープに収録されている作品のうち4本は、共作者がそれ以前に作ったテープからのリメイク版であり、その中で最古のものは76年に作ったものだということが「あのパロディカセット(マッドなどの元祖)」と書いた根拠になっています。
「MAD」という名称については「キチガイテープ(MAD TAPE)」が語源になっているという説を支持します。(共作者)
元祖マッドテープと作者が公表していますが、78年のキチガイテープが存在している点などから、当時作者が他の作品を知らなかった可能性が有ると思われます。(補足あれば補足希望)
作者によると、このテープには、1970年代に作った「タイムボカン」のOPを短縮した作品のリメイク版が収録されている。「MAD TAPE」の存在を後で知ったという記述から、「MAD TAPE」とは別系統の音声作品が存在したと推定できる。
- 1982-??-?? 一番最初のアマチュア制作AMVがアメリカで制作される。
- 作者はJim Kaposztas氏。当時21歳。。(資料によってはJames Kaposztasとなってるものも有)
資料によると作者が勤めるローカルTV局の機材をもちいて制作されたらしい。
映像はガンダム、曲はMr. Roboto(某捏造問題で消えたあ○ある大○典のOPでお馴染みの曲)
ちなみにガ○ダムが正式にアメリカに上陸したのは2000年3月の「ガンダムW」から。
追記:他の資料によると同年にJim Kaposztas氏が発表した「宇宙戦艦大和+All You Need Is Love(ビートルズ)」の組合せの作品が最初という記述も有り同一年に多数の作品を発表していた事が伺える。
- 1982-??-?? SONY 8ビットパソコン「SMC-70」発売
- 周辺機器を追加する事で機能を拡張できるという点が当時としては斬新だった。
特にBNC入出力、GENLOCKが付いたSMC-70GはTV局でテロッパーとして90年頃まで活躍した。
- 1982-??-?? SONY BETACAM方式のカメラ一体型VTR「BVW-1」投入
- それ以前の物にくらべ軽量かつ高画質という事で一気に普及する。
又、BETACAMの普及に合わせてかこの頃より各TV局でのTV番組の保存が定着した。
※TV局での番組保存は1980年に登場した「1インチVTR」も多い
- 1982-06-02 「つぎはぎニュース 」アンコール放送
- タモリのオールナイトニッポン「ベストヒットタモリ」 の読者投票によるもの。ちなみに投票結果は第一位。
当時局側でテープは紛失してたため、視聴者からの提供による放送だったらしい。
- 1982-08-20〜21 第22回「SF大会」にて「DAICON FILM」による、特撮映像「愛国戦隊大日本」が上映される
- 作品内容は「ゴレンジャー」に始まる戦隊物シリーズの一作品(定義によっては「スーパー戦隊物」ともカテゴライズされるが)「太陽戦隊サンバルカン」のパロディで、日本を共産化しようとするアカの軍団の陰謀から、日本を守ると言う物。
- 1982-10-01 Sony が民生用の CD プレイヤー CDP101 を発売
- 価格は 168,000円。
また、業務用モデルとして CDP-5000S (1,800,000円) も発売された。
同時にCDも50タイトル販売開始。
レコードよりもコンパクトで音も良かったので急速に普及していく。
1983年†
- 1983-06-?? マイクロソフトとASCII世界初の統一規格である8ビット機「MSX」14社の同意の下提供
- MSXと言うと一般的にはゲーム機としての印象が強いが、PCとしても色々な可能性を示してくれた。
MADに関する使われ方としては主にテロッパーとして活躍したようだ。
- 1983-07-15 任天堂より家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」発売
- 全世界累計出荷台数約6291万台
互換機も多く存在し、シャープの「ファミコンタイトラー(1987年発売)」はテロッパーとしての機能を備えていたがあまり知られて無い。
1984年†
- 1984-??-?? えとけっとの干支団(十二支団)による「びすけっと」制作
- 一般大衆向けに作られたパロビデオとしてはこれが始めてだと思われます(某干支関連戦闘員)とのこと。
詳細不明(捕捉希望)
現在wikiで補足出来た最古のMADムービー作品(他の有ればどんどん修正してください。)
- 1984-??-?? ローランドからパソコンでMIDI信号を送受信する初めてのインターフェイス「MPU-401」が発売
- NECPC8001シリーズおよびPC8801シリーズ(いずれも8ビットパソコン)用の拡張インタフェースボードとシーケンスソフト付き。
1985年†
- 1985-??-?? アメリカにて「ロボテック」放送開始
- 日本製アニメ『超時空要塞マクロス』、『超時空騎団サザンクロス』、『機甲創世記モスピーダ』を組み合わせてひとつの作品へ編集しなおした物。
コレに限らず当時アメリカでの日本アニメの改変は当たり前の事だったようである
この作品に関しては一応承諾有りの改変だったが、ファンの意見は2極化したらしい
- 1985-??-?? SONY 編集機能付きベータデッキSL-HF900発売
- これによりまともな編集が可能となった物と思われます。
それまでのビデオデッキの場合、重ね撮り部分にレインボーノイズと呼ばれるノイズがでてしまう仕様が有り編集には向かなかった。
- 1985-05-?? アスキー アスキーネットでパソコン通信試験サービス開始
- 国内初の商業ベースのパソコン通信サービスとしてスタート。
1997年8月で終了する。
- 1985-07-?? Commodore社、Amiga 1000をニューヨークで発表
- Motorola 68000 CPU, 256KB RAM, 880KB 3.5-inch disk drive 搭載で US$1,300。
アメリカのファンサブでは字幕作成のために非常に重宝されたらしい。
AmigaOSは日本語を含むマルチバイト文字への対応に消極的であったため、日本での字幕やテロップ等はMSXが頑張ってたらしい。
- 1985-07-28「えとけっとびでおもうけっと」上映。~
- 大阪中之島中央公会堂「丑年 コミックマーケット」通称「もうけっと」にて干支団(十二支団)による「えとけっとびでおもうけっと」上映。
この時点でOPED部分はPCを使って制作されている。
記録が残っている最初のコラージュムービー作品とされている番頭氏の作品情報が出てきたので変更さらに修正
現在wikiで補足出来た最古のMADムービー作品(他の有ればどんどん修正してください。)前年の「びすけっと」の情報により修正しました。
- 1985-??-?? 番頭、デビュー作「フックトオンクラシック」発表。
- 映像ソースは「うる星やつ○」だったとのこと。
85年制作だが「えとけっと」より後の制作とのこと。
※追加情報により84年の欄から移動&修正。
- 1985-09-24〜10-19 「第3回うる星やつらファン大会」全国各地で開催
- イベントの為のオリジナルビデオの第一号とも言える「了子の9月のお茶会」が上映された。
内容としてはアニメ版の総集編+新規アニメという物。
その後他のアニメイベントやファンクラブ向け、雑誌の全プレ用としてこのスタイルの映像作品が増える事となる。
1986年†
- 1986-??-?? Pioneer 「LD-S1」発売
- それまで不可能だった静止画やコマ送り、スロー再生などの特殊再生をデジタルメモリの搭載により可能に。
- 1986-??-?? 松下電器 編集機能付きVHSデッキ NV-1000HD発売
- 業界初、フライングイレースヘッド搭載の編集機「ビデオマスター」
SONYのSL-HF900に対する松下の回答がこれだったようです。
- 1986-??-?? SONY MSX2機「HB-F900」発売
- オプションのHBI-F900を追加する事で編集機として使えた。これのプロユース用としてHB-G900という機種もあった。
- 1986-07-27 干支団(十二支団)による「えとけっとびでおとらけっと」上映。
- 1986-07-?? EPSONからカラーイメージスキャナ「GT-3000」発売
- それまで100万円以上したものが19万8000円という低価格で発売へ
実際に良く売れたのは後継機の「GT-4000」から
- 1986-??-?? EUSFC86
- 愛媛大学SF研
- 1986-年末 SHARPパーソナルコンピューター「X68000」発表
- 発売は翌年春。
1987年†
- 1987-??-?? SONY漢字ビデオタイトラー「XV-J550」発売
- 中身はMSXを独自にカスタマイズしたもの
- 1987-??-?? Fatima-Zのいかがわしいテェプ
- 通称イカテーと呼ばれるマッドテープ。
のちにFatima-Z氏はタクラビジョンを制作する事となる。
- 1987-??-?? PC9801シリーズ向けソフト「MIMPI」登場
- DTMソフト「ミュージくん」のファイルを再生できるフリーのプレイヤー
- 1987-01-?? 日本ビクターからS-VHSの規格発表
- 同時にいわゆるS端子も発表される。
- 1987-02-?? SHARPパーソナルコンピューター「X68000」発売
- オプションのカラーイメージユニットを使うことでビデオ信号のキャプチャ(取り込めるのは静止画)やスキャナ(モノクロ)が有りました。
これを利用したMADも即発表されました。今で言う静止画MADといえる作品も有ったようです。
定価は369000円
- 1987-03-02 AppIe Macintosh II発売
- 初のカラー対応Mac。当時のお値段は948,000円
- 1987-04-?? 日本ビクターS-VHS第1号機「HR-S7000」が発売
- それまでのVHSは水平解像度が240本だったのが400本以上と大幅性能UP
ビデオテープが専用の物が必要という事もあり一部に普及するのみで留まる。
本格的普及は1998年、普通のVHSテープでS-VHS画質で録画可能な「S-VHS ET」規格の登場以降となる。
- 1987-05-?? テレビアニメ『うる星やつら』全話を収録した50枚組のソフトがキティレコードより発売
- LD-BOXと呼ばれる商品形態の第1号である。
- 1987-08-03 干支団(十二支団)による「えとけっとびでおうさけっと」上映
- これまでもPCを利用したOPEDの制作は行われていたが、この作品から編集映像に対してのテロップ及び捏造ロゴの合成が行われている。
1988年†
この年、家庭用ビデオデッキ普及率が53%に達した。
- 1988-03-?? Photoshopバーション0.87がスキャナー付属ソフトとして出荷される。
- バーニースキャン社にライセンス供与。約200本
- 1988-03-08 「とんねるずのみなさんのおかげです4」にて「仮面ノリダー」放送開始
- 不定期で続き物として放映された。
原作者である石ノ森章太郎(石森プロ)や制作会社(毎日放送、東映)に正式な承諾を取らずに無断でパロディ化した為、本家側から抗議を受けた結果、作品のソフト化は一切禁じられる事となった
現在でもこういったパロディ物は存在するのだが、大抵承諾無しで作られているらしい。
- 1988-07-31 干支団(十二支団)による「えとけっとびでおたつけっと」上映
たつけっとを最後に一般配布を中止。上映会のみとなる。
- 1988-??-?? EUSFC88
- 愛媛大学SF研
- 1988-??-?? AppIe 「Pencil Test」
- AppIe Macintosh IIのデモとして制作されたショートアニメーション
MacのSuper3Dというソフトで制作された。
当時編集ソフトが存在しなかったため、フィルムに直接出力していたらしい。
- 1988-??-??(夏?) 香川県にてコンテナを改造して作ったカラオケスタジオが出現
- 近隣からの苦情により撤去される。
カラオケBOXの発端なんだとか。
1989年†
- 1989-06-21 SONY 家庭向けビデオカメラ「CCD-TR55」通称「ハンディカム」発売
- 当時のパスポートサイズに収まる超小型のため人気になる
- 1989-08-13 干支団(十二支団)による「えとけっとびでおじゃけっと」上映
- 1989-??-?? EUSFC89
- 愛媛大学SF研
- 1989-??-?? MAD VTRテープ平成元年作品
- 1989-??-?? Avid社 世界最初のノンリニア編集システム 「AVID/1」発売
- ベースとなったのは「Macintosh IIx」
世界最初のデジタルノンリニア編集